もしあなたの家に銀のスプーンが一本あり、それがおよそ100年前から残されたものであったなら、あなたは簡単に人に差し上げあられますか。ゴミ箱に捨てられますか。
おそらく貴重なものとして大切になさっていることだと思います。
もし、それが金製であればどこかに売られてしまっている可能性もあります。銀は売るほどでもなく、捨ててしまうようなものでもなく、自然な形で受け継がれていくものなのです。
そのスプーンにいくつかの傷があったとしたら、それは100年前につけられたあなたの家系の歴史を思いおこす傷跡なのです。子供のころ、柱に身長の傷を付けた思いと同じで、いとおしく感じられるものなのです。